まきもgpfbその他アニメ関連や雑記

その他アニメ関連の情報、感想、考察の置き場です。雑記としても使います

ツイッター凍結解除された/グラゼニ大リーグ編3巻買った

 今朝、ついにツイッター本垢の不当凍結が解除された。詳細はnote(無料)にまとめた:

ツイッターアカウント凍結解除された|まきもgpfb|note

 まあ凍結中は地獄だったので、今までのようにツイッターを楽しむ気にもなれないし、他のSNSでできた繋がりも大切にしていきたい。色々な人に大変助けられたし、感謝しかない。

 また凍結されたらたまらないのと、きちんと残しておきたいので、感想などはここを使う。

 

 というわけで、今日発売のグラゼニ大リーグ編3巻(電子版)を買って読んだ。

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 グラゼニは、アニメのシリーズ構成・全話脚本が、アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さん(探求中)なので、そこからハマって最初〜最新巻まで全部買っている(電子版)。

 アニメのグラゼニについては、高屋敷英夫さん探求ブログに色々書いているので、こちらも興味があれば参照してほしい:

#グラゼニ カテゴリーの記事一覧 - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡

 アニメでも充分に可能性が示唆されて締めくくられた夏之介(本作主人公。左投手)だが、原作ではその後色々あり、ついに再渡米してメジャー再挑戦をしているのが現行のグラゼニ大リーグ編だ。今回はその3巻。

 極力ネタバレは避けるが、やはり夏之介や周りの人々の泥臭く健気で、そして根底に誇りを失わないスピリッツは応援したくなる。

 大リーグ編では、今までの左サイドスローから「絶滅危惧種」の左ナックルに武器を変えた夏之介のメジャー再挑戦が描かれている。

 

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 そんな中、あからさまに大谷をモデルにした二刀流日本人メジャーリーガー・王嶋と、夏之介が対決の時を迎える。

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 大谷…もとい王嶋は、モデル通り足も打撃も投球も人気も人格もルックスも文句なしの化け物。そう思うと、大谷vs夏之介、つまり現実なのに漫画みたいな人物と、漫画の主人公の夢の対決だ。これは興奮しないわけがない。詳細は避けるが、やはり興奮しワクワクした。

 私は現実の大谷(グラゼニ世界では王嶋)も好きだし、夏之介も非常に好きだ。つまり私の「現実の推し」と「アニメ/漫画の推し」の対決が本巻で見られるわけで、なんとも贅沢な世界を堪能させてもらった。

 あと、アメリカが舞台なのに、年齢による序列が日本とさして変わっていないのとか、夏之介の所属チームGMカエサルが、日本人の持つ「根性」に理解があるのが面白い。

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 もともとカエサルはランドリー係からGMまで上り詰めた苦労人。アメリカ人だが、なんだかそんなところに親近感が持てるし、自らミットを構えて夏之介の投球を体感するなど、彼自身の「根性」も素晴らしい。

 年齢や国の違いを乗り越え、野球で繋がる人間達のドラマはやはり熱いし、勇気づけられる。

 アニメの感想でもちょくちょく書いているが、金への拘りだの自虐気質だののベールに隠れて、夏之介は非常に負けず嫌いで、誇り高く熱い男であると思う。また、一見卑屈なキャラ性で見落としがちだが、彼もまた、並外れた能力や技術を持ち、身一つで人生と「ゼニ」を積む「バケモノ」であり、そこは大谷と同じ。また、そういった「バケモノ」は「努力」も人の一千倍はしている。

 アスリートが大金を稼ぐのはそれ相応の理由がある。もっと稼いだっていいくらいだ。

 漫画/アニメではあるが、グラゼニは、現実のアスリートにも不思議とリスペクトを感じられる、現実と架空の架け橋たる作品である。今後も新巻が待ち遠しい。

 

 

2023/02/20色々/追悼:松本零士先生

 今日もツイッター本垢(@makimogpfb)の不当凍結解除ならず。そこらへんはnoteに書いた:

ツイッター不当凍結生活8|まきもgpfb|note

 そんな中、松本零士先生の訃報が走った。数年前、海外で倒れられて心配だったが、ついにこの日が来てしまった。

 たいへんキャラクターメイキングや発想、デザイン力が秀逸な巨匠だったと思う。流石にリアタイ世代ではないが、銀河鉄道999宇宙戦艦ヤマトのアニメ映画が山程再放送されていて、慣れ親しんだものだ。

 いつぞやか、松本零士先生が描いた銀河鉄道999のリューズの絵がバチクソにキマっているのが話題になって、こりゃ全ての絵描きやアニメーターがひれ伏すわと思った:

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リンク:

https://twitter.com/PPPppppppQQQ/status/1312757292366852096?t=sqeGzhQHBTqAqj0Mic_MZQ&s=19

 一方で、ユニークでハチャメチャな独身時代の生活も話題だった。その中でも、サルマタケ(あまりにも不潔な生活をしたため、脱ぎ捨てっぱなしのパンツからキノコが生えた)はあまりにも有名。

 銀河鉄道999で、鉄郎が風呂嫌いで不潔なのも、そのあたりから来ているのだろう。

 同じく銀河鉄道999では、ラーメンなどの、およそSFらしくない大衆グルメや文化が頻繁に出てきて、そこも面白いポイントだったが、そこも松本零士先生の飾らない部分が出ていた。

 一方で、男のロマンや生き様にこだわる作風がファンから絶賛されているが、ハーロックなどの「理想の漢」は、自身の「弱さ」や「男らしくなさ」のコンプレックスを反転させた究極の理想像だったのではないかと思う。男はロマンや大志を抱いて激しく熱く生きろとは何とも現実の男性諸氏には窮屈で耳の痛い話でもあると、男性ではない側から見ると思ったりもする。

 だから、鉄郎のような、そんなに美形でもなく風呂も入らないキャラを出し、大衆文化もマシマシに表現する。そんなところも、バランス感覚に優れた作家だったのだろう。

 実は私は、あまり松本零士先生の漫画を読んではいない(銀河鉄道999あたりの傑作選くらい)が、読んでいた兄によると、未完で投げっぱなしの漫画も多いらしい。それは何とも勿体ない話だ。

 また、アニメに恵まれた方だとも思う。どの松本零士先生デザイン/関与のアニメも、一流の監督/脚本/演出/アニメーター/音楽/声優に恵まれている。それだけ、「この絵/世界観をアニメにしたい」と思わせる無尽蔵の魅力が、松本零士先生にはあったのだろう。あらためて大きな存在を失った。今はただ、哀悼の意を表したい。

 

 

1980年版鉄腕アトム感想ツイートまとめ

Gyaoが1980年版アトムを無料配信していたので、それについてのツイートを下記にまとめた。

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  • 1~2話

Gyaoが1980年版アトムの1~2話を無料公開しているので見たんだけど、Pはじめ、東京ムービー勢が多くて驚いた。ジングルやSEまで東京ムービー作品と同じ。また、名作を数々手がけた井上和夫さんが編集をしている。更に、じゃりん子チエの脚本陣である宮本昌孝さんが文芸進行で驚いた。

以前調べた時に、監督の石黒昇さんはじめ、ど根性ガエルスタッフが多いのが気になってたんだけど、ここまで東京ムービー勢が集結していたとは…

手塚プロダクション東京ムービーは、何らかの繋がりがあったのかもしれない。

2話の演出は、はしもとなおとさん。キャプテンの演出も多く手がけていた。1980アトムには、キャプテン監督の出崎哲さんも参加してるわけで、キャプテンチームも結集している。

それにしても、1980年版アトム、当時「アトムが街を壊しすぎる」という批判があったそうだが、確かにドッカンドッカン壊している。市街地メカアクションが得意な石黒昇監督の特性が出ている。

私の中では、1980年版アトムの天馬博士が酷い奴で、2000年代アトムの天馬博士はまだヌルいと思い込んでいたのだが、1980年版天馬博士の方が、やさしい父親してたわ…間違ってたわ…行方不明になったアトム(トビオ)を必死に探すシーンには胸を打たれた。

2000年代アトムは、終盤あたりで天馬博士が闇落ちしてた記憶がある。

いずれにせよ、天馬博士は瞬間湯沸し器で、それはアトム・ザ・ビギニングのヤング天馬にも引き継がれている。 

  • 3話

いやもう、この回の、サーカス仲間のロボットが死ぬシーンが子供の頃トラウマで…(キッズルームで繰り返しやってたせいもある)。
あらためて見たら更に惨い。スクラップのあとゴミ同然に捨てられてる…

あと、この回、杉江慧子さん脚本なのね。
荒木芳久さんの手記によると、杉江慧子さんは女性の心理描写について、他の脚本家にアドバイスしてたそうで…
確かに、女性キャラ(キャシー)の母性や、ちゃっかりさが、よく描写されてた回だった。

1980年版アトムの序盤見てると、ふと「亡き人の代わりがロボットに務まるのか」とか不思議になる。たとえば、脳のメカニズムが解明されて、亡き人のメモリをロボットに入れたとしても、亡き人と、そのロボットはイコールではないような…

それとは別に、アトムは心を持つ人間的なロボではあるが。こういうのは押井守カテゴリに入るな。あと「イノセンス」とか見てると、「魂(ゴースト)だけのヒトを愛せるのか。自分ならどうするかな…」とか思う。

それにしても、アニメのバトーは素子に惚れすぎ。

  • 4話

出崎哲さん演出回!コンテは山谷光和さんだから、哲さんコンテとは趣が異なるけど、回転演出や夕陽演出に哲さん成分が出てた。特にここ。

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哲さん監督作のキャプテン(2枚目、下から2段目)に似てる。

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この、哲さんこだわりの回転演出、年々複雑で難易度の高いものになってるなあ。それを支えてるのが、哲さんの重鎮のアニメーター、清水恵蔵さんや四分一節子さん、小林ゆかりさん等なのだと思う。この回も原画参加している。

亡くなったあと、石黒昇さんの凄さが次々とわかるのが悲しい…監督作の1980年版アトムもよく出来てるし、やっば市街地メカアクションが凄い。

1980年版アトム、脚本の密度も凄いと思う。1話内に沢山の出来事が発生する。たぶん原作を物凄い勢いで圧縮しているんだろうなあ、と。5話でもうパパ・ママロボ製作に入るし。

これは、子供の関心をいかに引くか、飽きさせないか、ということに長けた、手塚治先生の意向もあるのだろう。なにしろ、手塚先生自ら絵コンテ脚本原画に参加する張り切りようだし。 

1980年版アトムは80年代テカテカ塗りをやってるわけだが、手塚先生は原画を描いてる時どう思ってたんだろうか。「ぼくだってこれくらい描けるんですよ!!」イズムが発動したのだろうか。

  • 5話

脚本が、ガンダム脚本陣で、貴重な手記をネットにアップした荒木芳久さん。原画に、エースをねらえ!2のチーフDの古瀬登さん、動画に、りんね3期監督の石踊宏さんがいた。演出は元エースをねらえ!制作進行の安濃高志さん。エースをねらえ!関係多いな。

1980年版アトム、面白いな…
それに、毎回脚本の密度が濃い。脚本陣が、密度の濃い脚本を書ける人ばかり。中盤から数本脚本参加してる高屋敷さんも、密度の濃い脚本が特徴の一つだし。
手塚先生の管理が厳しいのかと思いきや、脚本演出作画すべて、各個性が生きている。
高畑監督の「じゃりん子チエ」も、各話の脚本・演出・作画各セクションで個性が生きていたし。1980年版アトムの石黒昇監督も、色々な人を色々な作品で育てている。

石黒昇監督は、前からそんな感じを受けていたが、手塚先生や高畑監督は、ワンマンなイメージがあったから意外だった。
まあ、ほんとにワンマンだったら、出崎統・富野・りんたろう杉井ギサブローさんほか、虫プロから、あんなに名手が生まれるわけないしな…。
1970年前後、虫プロ末期は手塚先生が直接制作に手を出す機会が減ったみたいだが。
やっぱ手塚先生て、漫画だけでなく、アニメでも神だったんだなあ…。

  • 6話

脚本が高橋良輔(ボトムズ監督)さんなんだけど、序盤にミステリアスな美女ロボットに会う展開が、ボトムズ1話と被るw
演出が、キャプテン演出も多い、はしもとなおとさんで、出崎哲さん(キャプテン監督)的回転演出が多かった。
1980年版アトムの監督は石黒昇さん(マクロス監督)なわけだけど、それにボトムズ監督の高橋良輔さんが参加してるのは、今見ると豪華。 

  • 7話

脚本が、ガンダム脚本陣の荒木芳久さん。
コンテ演出の矢沢則夫さんは、忍たまの担当コンテ数が大量で凄すぎ。https://t.co/94t6FxxtnM

道理でよく見るお名前なわけだ…四捨五入で1000本切り行くかも。

それにしても、今回も脚本密度が濃い…なるべく次回に引っ張らず、子供を飽きさせないようにしてるのかな。
脚本の密度が濃い→カット数が多い→作画枚数が多い…
となり、そうとう予算がかかってたりするのかな。皮肉にもアラレちゃんに視聴率で負けたらしいと、どっかで見かけたが。

そういえば、1980アトムは、悪ガキに虐められてもロボット三原則で手が出せないジレンマが出て来るけど、アラレちゃんは人間相手でも容赦ないな(犯罪者とかだけど)。まあ何でもありな世界だからだけど。

そんなアラレちゃんでも、死の概念を理解してない悲しさが表れる回があった。クマが密猟者に撃たれる回。センベエさんがサイボーグ熊として生き返らせるけど。

この、印象深かったクマの話、調べたら、アニメは脚本が金春さんだったのか(5話B「クマさん友だち」)!
高屋敷さんといい、お二人とも、過去から現在まで、印象深い話を担当されてるなあ。 
ただ、いくら(元)夫婦とはいえ、火の鳥鳳凰編を見るに、共著脚本となると、かなり個性のぶつかり合いを感じた。1作品内2重人格というか。

アラレちゃんとクマの話、DBのブウと子犬の話、比較すると面白い。鳥山先生は何気に動物との交流話で泣かせにかかる。

  • 8話

脚本が、3話以来の杉江慧子さん。
享年から考えると、アニメとしては1980年版アトムが遺作。名作が多いだけに、非常に残念。
あと、コンテの永樹凡人さん、キャプテンのコンテでよく見かけた。こちらも最近亡くなられて悲しい。
杉江慧子さんは、失踪→遺体発見で、自殺らしいとのこと。

http://www.geocities.jp/chanbara310/staff/3_3su.html

つくづく悔やまれる。

話としては、アトムが一年生を手荒な方法で救助する所が笑ったw
しかしながら、お茶の水博士がアトムに装着した高圧電流発生装置のせいで、ゲスト敵とその愛猫が死ぬのが救いがない…。ここらから、やりきれない話が多くなるっぽい?

やりきれない、救いがないといえば、杉江慧子さんが多く脚本を担当したベルばらもそうだった。
晩年なだけに、精神的に暗くなっていたのかなあ…失踪原因は、「仕事に行き詰まった」かららしいが…
いずれにせよ素晴らしい脚本家だった事は確かなので、もっと知られて欲しい。

それにしても、ヘビーな話が多いことと、脚本の密度が濃いこと、カット数&作画枚数が多いことに毎度驚かされる。80年代といえば派手なイメージだが、80年代入りたてだから過渡期にあるのかな。

  • 9話

脚本が手塚先生。演出が安濃高志さん(ヨコハマ買い出し紀行監督)だと、原画に古瀬登(エースをねらえ2監督)さん、動画に石踊宏さん(りんね3期監督)がいる。そういう班なのかもしれない。
話はアトラス編。単発エピの間に主軸のシリーズを混ぜこむのは、洋ドラの構成に似ている。

アトラス、しつこい割にはすぐに勝負をお預けにするあたりが笑ってしまうというか、シリーズものの宿命を感じる。
子供の頃、「とにかくアトラスがしつこい」と感じていた理由があらためて解った気がする。

ところでこの9話含め何本かコンテを切っている山谷光和さん、ぐぐると何故か神田武幸さん(バイファム監督)が出てくる。神田さんの変名?かと思ったが、特にそういう記述は見当たらない。謎のままなので保留。 

普段の単発エピは密度が濃いというか、何とか1話完結にしようという努力が見られるが、アトラス編は、いかにして次に引っ張るかに骨を折っている。手塚先生自らの脚本を書いてるあたり、主軸としたい感じが伝わってくる。多少、ジャンプ的引き延ばしも感じるが 。

次回10話は脚本・コンテ・演出が出崎哲さんなんだが、予告からしてすぐに出崎哲さんだとわかるw

兄弟そろって強烈な個性を持ってるなー

  • 10話

脚本・演出・コンテが出崎哲さんという回。作画も清水恵蔵・四分一節子・小林ゆかり・小和田良博さんら、キャプテン(哲さん監督)でおなじみの面子、というか哲さんスタジオのマジックバスが請けてるからだが。

本編中に「マジックバス号」というのが出るの笑った。新エースをねらえ!出崎哲さん演出回での「マジックバス取材」のイタズラ書きにも笑ったが、それ以上の自己主張だw
あと、海中シーンが哲さん監督作のマリンエクスプレスぽい。
そして、哲さんイズム「女は男心をわかってくれない」的なエッセンスも見える。ちゃんと和解はするが。侍ジャイアンツの哲さん脚本・コンテ回では「女のご機嫌取るような奴に男の友情がわかってたまるか!」という台詞があり、とにかく出崎兄弟は男の世界好き。

そういう面ではやはり、哲さんのど根性ガエルの脚本・コンテ回が強烈。「純粋な男心を踏みにじった!死ね!!」だからなーw

映像面でやはり、やたらと夕陽が出る。あと統さんばりの入射光を哲さんも使うんだなあと。 
出崎哲さんは、統さんみたいにがっつり虫プロってわけでもなさそうだが、監督作マリンエクスプレスや1980版アトムの演出を見るに、手塚治虫作品との相性はいいのかな。絵柄がマジックバスワールドになるとはいえ。

  • 11話

脚本は金子裕さん。ロボットが大統領の国の話だが、ロボット権だけでなく、ロボットに披選挙権があるのか。権利関係は、2000年代版アトムより進んでいる。

ロボット大統領に反対するレッドクロス軍という、ロボット差別集団が出てくるけど、明らかにナチスを思わせるし、ロボット=披差別人種と置き換えることができ、そう思うと結構エグい話だった。

ど根性ガエルの金子裕さん脚本回に、ぴょん吉自爆みたいな話があり、それもエグい。 

  • 12話

高橋良輔さん脚本、森田浩光さん演出。
失った首を求めて荒れるロボット・ダムダムの悲劇で、ダムダムがロボットの首狩りをするのだが、被害ロボットが軒並みかっこいいのが気になったw 

被害ロボットのかっこよさ、演出の森田浩光さんの意向かなと思ったけど、森田さんは、あまりロボアニメをやっていない。近年はおじゃる丸が多い。後にマクロスの監督になる、石黒昇監督の意向か、原画さんの趣味なのか。

それにしても3~4mあるロボットが単体で夜道をブラブラしてる世界がシュール。

3~4mのかっこいいロボットが悲惨な目にあう・危険な仕様ゆえに大事なもの(首)を失うロボット・危険な仕様をつけた人間のエゴ・ダムダムのやりきれない死
など、なんとなく、今回の脚本の高橋良輔さんの今後の作品(ボトムズ監督など)につながるものがある。

ダムダムの悲劇、頭の中性子ビーム機能を、お茶の水博士がさっさと除去しておけば防げたのではないかと…と、つっこみたくもなるが、とにかく1980鉄腕アトムは、ロボットの死や破損の描写がエグい。
人間もロボットも、ついさっきまで意思を持ち感情があったものが死をもって物質に還るのは怖いし、悲しい。

1980版アトムは、ロボットの悲惨な死を描くことで、人間もロボットも同じであると訴えているのかも?

  • 13話

私待望の、探求中である高屋敷英夫さん脚本回。

これも高屋敷さんの特徴沢山。過去・未来作とのシンクロや、テーマの共通性など。

面白かったのは、高屋敷さん特徴の知略(悪賢さ)を使った作戦が、アトムの直情的な行動により台無しになるところ。

高屋敷さんの作品だと、煽り・騙し・挑発・イカサマは、主人公側や味方も使い、それで痛快な知略逆転劇に繋がることも多いのだが(アカギ・ワンナウツカイジ脚本・シリ構など)、ロボットであり純粋な心を持つアトムにはそれがわからない。

そして、その齟齬は、悲しい結末の遠因になってしまう。

「直情的な義憤では、いくら相手が悪でも勝てない」というメッセージは高屋敷さんの特徴だが、心優しくても、子供の心を持つアトムに、それは難しすぎた。
カイジでも、会長戦ではそれが表れている。相手が悪でも「理」が無ければ勝てない。

また、ロボットであるアトムには、嘘や挑発といった悪知恵を駆使することは難しい。
ヒゲオヤジの作戦を邪魔したことで怒られ、落ち込むアトムではあったが、「いいことだと思ったのに」と言うのは中々深い。
更に、善悪の区別がつかないロボット・電光は更に厄介。

結局のところ、純粋すぎるロボット二人(アトム・電光)が、人間に振り回されることになってしまう。だからといって、人間の複雑な心理が絶対悪というわけではないのは、アトムにもわかっていて、悲劇的な結末を迎えても「誰も恨みません…」と言う。悲しくも複雑なラスト。

ついこないだ特集したMASTERキートン18話(高屋敷さん脚本)では(http://makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2017/10/02/120437)、

詐欺師が次第にお人好しになるも、知略を使い人を救う行動に出ている。こういった、人間にとっても複雑な、人の心の推移は、子供でありロボットであるアトムには難しい。

とにかく、高屋敷さんの持ち味である、知略や悪知恵を、アトム世界で展開すると、それをアトムが理解できない…という、まさかのミスマッチが、深いドラマを生んでいると感じた。

アトム世界のロボットが「心の推移」を理解できるかどうかについては、アトムのライバル・アトラスの心は推移しているので、全く不可能な話ではないようだ。嘘や騙しのテクニックについては、結局二人ともあまり得意ではないようだが。

そういえば、攻殻SACのタチコマは「嘘をつく」機能がある。SAC2期で「用事がある」と偽って、衛星サーバへの死出の旅に出るタチコマは泣ける。

さらに原作1.5巻ではフチコマがポーカーをしてるwこれも「騙し」が必要なゲーム。

ベースとなった人格がそうなんだろうか。声は子供だが。
マンガワン鉄腕アトム原作を読んだが、1980版アトムと比較すると面白い。
どの話も原作は長い話なのに、アニメでは大筋を変えないようにしながら超圧縮している。それでも体感するカット数は多い。脚本・演出・作画の力量が窺える。

あまりに毒舌のせいなのか1980版アニメ(高屋敷さん脚本回)でカットされているアトムの台詞「スカンクは東京のダニなんだ」が笑ったw

あと、高屋敷さん脚本回13話であるアニメの方がヒゲオヤジを活躍させているというか、「人間は(正義のためでも)騙しや悪知恵を使う」が強調されていた。

高屋敷さん脚本分「電光人間」、話全体で「人間の悪い心がロボットには備わっていない悲劇」を描いている。原作では冒頭でズバリ、スカンクが「悪い心がないアトムは完全なロボットではない」と言っている。これも、漫画とアニメという媒体の違いをうまく生かしていると思う。

マンガワン鉄腕アトム、全話タイトルだけざっと見てみて、
1980年版アトムの高屋敷さん脚本分の原作タイトルを探した。
電光人間・イワンのばか・盗まれた太陽 は原作が見つかったが、アニメ31話「嵐の中を突っ走れ」はアニオリ。

1980版アトム各話に言えることだが、原作のボリュームを1話に圧縮する力技が凄い。やれといわれたら、私なら逃げ出すw

また、高屋敷さん的には、この経験も、カイジ原作100P近くを1話に詰めたりする脚本につながっているんだなあと。

逆に、脚本家・荒木芳久さんの手記によると、赤毛のアンは原作3ページを30分に広げるなどの力技を行っていたようだ。

アニメ1話に与えられた時間をどう使うかも作品次第だし、どちらもスタッフの力量が問われるなあ。

  • 14話

お正月&ウラン初登場回なわけだが、こういう、お正月とかクリスマスの要素はアニオリなんだな。これを折り込みながら原作の長い話を圧縮しているから、本当に脚本の苦労が窺える。

あと、動画にベテランアニメーター(直近は最遊記2期作監)の小林利光さんがいた。結構初期の仕事のようだ。

今回の脚本は金子裕さんなわけだが、高屋敷さんと縁がある。共にど根性ガエルスタッフでもあり、めぞん一刻では共著脚本までしている。何故かは謎。

  • 15話

「ロビオとロビエット」、タイトルからして悲劇なんだけど、原作もアニメもエグい。1980年版アトム全部に言えるけど、ロボットの死にかたがエグいんよなあ。基本爆発四散というか、意思のあったロボが物質に還るというか。

脚本が金子裕さんなんだけど、これも1980年版アトム全話に言えることだが、よく長い原作を30分番組に落としこんでるなあと感心しきり。エンタメとして、レースシーンを主軸にしたのも良い。それにしてもロボットが死ぬシーンが毎度エグい…

この、長い原作を1話に圧縮する方針は、手塚先生が子供を飽きさせないように出したのか、石黒昇監督の方針か、気になるところ。もちろん、Pやスポンサーが出した号令なのかもしれないが。これは、相当に脚本家の苦労がありそう。というか原作と比べて見てみると、圧縮具合に感心しっぱなし。

  • 16話

脚本がガンダム脚本陣リーダーの星山博之さん。これもマンガワンで原作を読んだが(「火星探検の巻」)、これも脚本の圧縮具合が凄い。100P近くを1話に凝縮。本作品全話そうだが、原作を圧縮する技が絶妙。

あと、原作とくらべると、メカデザインを流行りの80年代風に大きく変えている。後に石黒昇監督がマクロスの監督をやるだけに、バトロイドっぽい戦闘メカや、かっこいい戦闘機が出てくる。話は原作通り、やりきれない結末。本作はロボットの死に方もえぐいが、人間の死に方もえぐい…

脚本の星山博之さんポリシーかもしれないが、原作の「女の子がこんな事しちゃいけない」「女の子なのに…」的な台詞はバッサリ切られている。ガンダムとかも、「女が…」的な台詞は少ないっていうか、女子キャラは逞しい。

  • 17話

石黒昇監督の直接演出回あって、メカ描写がかっこいい。脚本がガンダム脚本陣の松崎健一さんで、大気圏に突入しそうになる宇宙船を救出する話がガンダムぽいw原作も読んだが、大気圏ネタはアニオリだった。

これで星山博之松崎健一、荒木芳久さんと、ガンダム脚本陣のうち3人が1980年版鉄腕アトムに参加したことになる。アトムとガンダムが脚本面でつながりがあったのは驚き。石黒昇監督は、後にマクロス監督だし、ヤマトのメインスタッフだし…色々なSFアニメのスタッフが参加しているなあ。

高屋敷さん脚本回でも、アニオリ部分に同氏の過去作品ネタが出てくるけど、今回の松崎健一さんも、ガンダムネタをアニオリ部分にうまく導入しているなあと思った 。

1980年版アトム、石黒昇監督といい、ガンダム脚本陣の参加といい、当時の最先端のメカ要素を取り入れようとしてたのかな。

2000年代版やアトム・ザ・ビギニングも、最先端さを取り入れようとした跡がある。

  • 18話

山谷光和さんコンテ、出崎哲さん演出&哲さんスタジオのマジックバス作画回なので、当然ながら清水恵蔵さん作監で、マジックバス重鎮の四分一節子・小林ゆかり・小和田良博さんなどが原画におり、キャプテン(哲さん監督)と同じ布陣。

キャプテンといえば、1980アトム演出陣の、はしもとなおと・永樹凡人さんもキャプテン演出陣。何やらキャプテンのスタッフが集まっている。

脚本は元祖天才バカボン家なき子の脚本も手がけた山崎晴哉さんで、益々東京ムービー作品によく出てる方々が参加している。制作は手塚プロなのだが。

どうやらPつながりらしいのだが、脚本陣も、山崎晴哉・金子裕・高屋敷英夫・杉江慧子さんら、東京ムービー作品を多く手がけた方々が集まっている。

脚本陣の、長い原作を超圧縮する技・1話内の密度の濃さは毎回目を見張るものがある。相当の手腕が要る。

18話自体は一つながりエピソードのアトラス編。犬(ジャンプ)が半ば強引に出ているあたり、同じく山崎晴哉さん脚本の家なき子が思い出される(カピはじめ、犬がよく出る)。

アトラス自体は、決着がつくまで分けたり負けたり撤退したりと、何やら哀愁が漂うwなんかいつも「おわーっ」って言ってる。 

1980年版アトムのシリーズ構成または脚本リーダーって誰だったんだろう…監督なのか、はたまた手塚先生の意向なのか(手塚先生も脚本書いてる)?とにかく、演出や作画もいいが、脚本面もクオリティ高くて驚く。

手塚先生が絵コンテ・脚本・原画に自ら参加しているあたり、手塚先生の意気込みが凄すぎる。この頃だって漫画執筆業が忙しいはずなんだが。

  • 19話

相変わらず、長い原作を1話に収める技が凄い。あと、ほぼ毎回思うが、本作はロボットも人間も、被害甚大。今回も、原作通りだが無差別爆弾テロが描かれ、アニオリで、二度と野球ができなくなった少年も出てきたり、シャレにならん。

ところで脚本の五十嵐ひろみさんは今回が初出だが、まんが世界昔ばなし脚本、タッチの脚本(水城ゆう名義)などを書いている。
後に引退してドッグカフェ経営をしているらしいと、検索したら出てきた(今現在はどうなのか不明)。ソース: 

http://www.hmv.co.jp/artist_%E4%BA%94%E5%8D%81%E5%B5%90%E3%81%B2%E3%82%8D%E3%81%BF_000000000474623/biography/

演出の宮崎一哉さんは、ゴッドシグマの演出やコンテが多いかな。本作も多数。近年?だと忍たま

ところで、ほぼ毎回思うがスカンクの属する組織の資金力が潤沢すぎる。核魚雷とか持ってるしw原作では、スカンクの保釈金5千万円をポンと出している。これだけしつこく出るスカンクだが、後半フェードアウトするのは、前半~中期にしつこく出すぎたせいか?

1980年版アトムは、出崎哲さんスタジオのマジックバスが参加しているせいか、哲さん監督作であるキャプテンのスタッフが多いな…

演出面では出崎哲はしもとなおと・永樹凡人さん、作画面では清水恵蔵・四分一節子・小林ゆかりさんなど。
また、マジックバス請け回は独自色が強く、レベルも高い。

1980年版アトム、圧縮するためのアニオリは多いが、基本は原作通りなので、悲劇はシャレにならんほど悲劇。人もロボットも悲惨な目に遭うのでシビア。ここは、手塚先生が健在だったこと、コンテや脚本などで手塚先生が積極的に参加している事もデカイと思う。いい子ちゃん作品にしないというか。

また、石黒昇監督も、よく考えたら悲劇好きかも…同じく監督作であるマクロスも、レギュラーである柿崎やフォッカーが死んでおり、モブの死に方もエグい。
近年、亡くなったのが悔やまれる。コンテ数も多かった。無記名含めたら富野さん級の多さなのではないか?

1980年版アトムが(枠組みは)原作に忠実でエグいって件、よく考えたら天馬博士の息子が幼くして事故死する1話からしてエグい話なわけで。大人になってから読む・見ると天馬博士がイカれるのも無理ないなって思う。作ったあともイカれてるが…

手塚先生の作品がエグい時はエグいって言っても、ギャグはきちんと入れている(この件については、藤子不二雄先生の「まんが道」が詳しい)。1980年版アトムは、ギャグ要素が原作より少ないので、エグさが増すのだろう。転じて、手塚先生コンテや脚本回は、ギャグを入れているのが興味深い。

  • 20話

原作と比較したが、これも100P近い原作を1話に収める超圧縮技が使われている。
脚本は、山崎晴哉さんで、前回の担当作同様、犬(ロボットだけど)が強調されているような…
あと、動画にまた、今はベテランである石踊宏さん(カブトボーグ監督など)と、小林利充さん(直近:最遊記2期作監)がいる。

今回含め、本作で演出を多く手がける安濃さんは有名だが、今回コンテの内田薫さんは、検索しても本作しか出ない。誰かの変名?

本作全体に言えることだが、原作が映像的カメラワークを意識したコマを描いていても、アニメでは原作通りのカメラワークや演出を使っていないのは興味深い。手塚先生は実写映画を、アニメはアニメの文法を使っているというか。1980年ともなれば、アニメ文法も大分育ってる時代だし。 

あと、今回を原作と比較してわかったが、本作では手塚スターシステムを極力使っていない。原作ではハムエッグとランプが出てくるが、アニメでは別キャラが描き起こされている。スターシステムは、子供にはわかりにくいと踏んだからかな?

これについてだが、1980年版アトムでは1980年当時の流行りのアニメ文法を使っているのではないだろうか。手塚先生自体、現在でも使われるアニメ文法の基礎を築いた一人なわけだが…不思議な感覚だ。

実際、メカのテカテカ塗りや、外装に複雑な線がびっしり描かれたメカデザインは、80年代大流行したものだからなあ。手塚先生がそれをどう思ったかはわからないが。

  • 21話

私待望の、高屋敷さん脚本回。
冒頭からして、アナウンサーがベラベラ早口名調子で喋る所に、特徴が出てる(ジョー脚本の実況アナ台詞で培われたものと思われる)。やはり、原作と比べて、飯テロ&食いしん坊描写に尺割いてるw

話のコンセプトも、原作通りの流れながら、特徴である「ぼっち」と「魂を持つ物」「もの言わぬものの意思」が目立つ作り。主を亡くしたロボット・イワンの孤独さが泣ける。

人の墓を暴いてでもダイヤが欲しいという人間の浅ましさは、未来作のカイジ脚本9話のクライマックスでも描かれ、縁を感じる。 

ダイヤを欲しがり天罰ぽく月に取り残されるのは、原作では凶悪犯なのに、アニメでは大富豪に変更されている。ここらへん、高屋敷さんの個性っぽく、カイジにも流れるテーマ。カイジ12話脚本にて、金と人間性で揺れるカイジや、金は命より重い…と言い切る利根川を印象付けているのにも繋がる。

これも長い原作を超圧縮しており、かつ密度が濃い。

この限られた尺でさえ、特徴である飯テロ&食いしん坊(しかもアニオリ)に尺を割いてるのが、なんとも高屋敷さんらしいと感じた。 

ところで1980年版鉄腕アトムは極力、手塚スターシステムを使っていないが、そのかわりゲストキャラがレベル高い。今回も、オリキャラの神田博士がイケメン。

しかしお茶の水博士、どんだけ友達の博士いるんだw話の都合上増え続けてる…

1980年版鉄腕アトムは、長い原作を1話に収めつつ、オリジナル部分も必要な脚本が求められる。
高屋敷さんの脚本は、出崎統監督作品や1980アトムのような、オリジナル要素が大分必要な脚本と、高畑監督のチエあたりの、原作にド忠実な脚本の2通りがある。
カイジ脚本はその中間あたり。

原作大クラッシャーな出崎統監督と長年仕事していたので、オリジナル要素を入れる脚本については納得の傾向だが、原作にド忠実でありながら、じわり自分のテーマが浮き出て来る脚本パターンがあることに驚き(特にキートンなどの小島正幸監督作品)。

これについては、以前、ジョー2脚本経験と、チエ脚本経験が合わさって、原作を大きく変える出崎系と、原作に忠実な高畑系の使い分けをしているのではないかと書いたが、原作を圧縮しつつオリジナルが必要な1980アトム脚本の経験も相当デカイのかもしれない。

思えばカイジ1期1話脚本では、カイジエスポワールに乗せるため、2期1話脚本ではカイジを地下に送るため、原作に大ナタを振るっている。この、「視聴者を待たせないための改変・オリジナル要素」は、1980アトム脚本で培われたものかもしれない。 

とにもかくにも、1980アトムに求められる脚本レベルは高い。手塚先生が積極参加している割には、作画のみならず文芸面にも重点が置かれているのは意外。

虫プロは、作画スタッフに重点を置いていたような印象があるだけに。 

「原作に忠実」と「原作を改変」を使い分ける高屋敷さんの技で戦慄したのは、以前書いたが、カイジ1期脚本20話の、原作通りの台詞と台詞の中間にある、「死んだ皆のためにも前だ。もっと前に行くんだ」という台詞。
家なき子演出で頻出したテーマ「前へ進め」が織り込まれており、使い分けの究極。
これについては、以前下記ブログ記事にまとめた。
http://makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2016/08/14/204704

1980年版鉄腕アトムの高屋敷さん脚本回を見ることで、オリジナルと原作踏襲の使い分けの妙技について益々興味深くなった。 

おそらく高屋敷さんの脚本面のキャリアについて重要なポイントであるジョー2・1980アトム・じゃりん子チエは、結構年代が近い。ジョー2・1980アトムが1980年、チエが1981~1983年(高屋敷さんは中期からの参加)。

丁度、フリーになったあたりか。脚本専門に舵を切る過渡期。

そのあたりでも忍者マン一平や新ど根性ガエル(PN参加疑惑)にて監督や演出面の仕事があるが、脚本面での「恐ろしさ」の方が勝ってくる時期でもある。演出時代も良かったのだが、「やりたい事、出したいテーマ」について脚本の方が出せている気もする。勿論、それも演出経験あってこそと思うが。

ど根性ガエルの、変名での演出参加疑惑はかなり濃厚なのだが、疑惑は疑惑なので、特集できないのが残念だ。やりたいけど、共著脚本とPN疑惑については表立って特集しない方針(時々ツイートはしてる) 。

ところで1988アトム、手塚先生が積極参加してるが、当時どういう反応だったのか…

今のガンダムみたいに「こんなのアトムじゃない!!」勢はいたのだろうか。
オチが原作通りでも、ギャグ面が少なく、鬱話や、やりきれない話が際立つ所は賛否分かれそう。

  • 22話

高橋良輔さん脚本回。このシリーズ、普段は長い原作を圧縮する脚本技が求められるのに、意外にも今回は短い原作を30分ものにリビルド。しかも引き延ばしではなく、相変わらず密度は濃い。設定やキャラも、原作から大分変わってる。

今回はラストでアトムが優しい嘘をつくが、それを実行するまでの間がよかった。

原作では、アトムは嘘はつけない、との明記はないので、「いい嘘ならついてもいいんでしょう?」とナチュラル。

嘘をつく機能がアトムにあるかないかは、原作もアニメも、言わぬが花なのかな。  

それにしても、ほぼ毎回感じるが、町や人、ロボットの被害が甚大すぎるw
今回なんか、原作は火事だが、アニメは街壊滅の大地震

あと、原作ゲストヒロイン?は老婆だが、アニメでは盲目の美少女。ここら演出か脚本の好みかな。

  • 23話

ガンダム脚本リーダーの星山博之さん脚本回。
これも、22話と同じく、短い原作を30分ものとしてリビルド。もう、よせばいいのにと思うくらい原作に比べてエピソードを詰め込んでいて、22分内に収まるのかハラハラした。
あと、原作と時系列が異なる。
原作は、現在→回想→現在だが、アニメでは現在→未来。
これにより、ゲストキャラの真の姿や、ゲストの母星の運命を、時系列変更により、後半ギリギリに明かせるようにしてるのが、アニメはアニメで上手いなと思った。
毎回脚本の密度が濃すぎる。

それにしても、せっかくアニメ1話に収まりそうな原作があっても、どんどんエピソードを膨らませてパンパンにする方針は何なのだろう…
石黒昇監督って他作品でそういう傾向だったろうか??マクロスはそうでもなかったような…
それとも脚本陣やPの意向なのかなあ。

ふと思い立って、1980アトムと同様、石黒昇監督作であるマクロスの脚本陣を見てみた。
星山博之さん、アトムだけでなくマクロスも書いてたのかあ。マクロスは、松崎健一さんや大野木寛さんが目立つな。
星山・松崎さんは、ガンダムだけでなくマクロスの脚本もやってたのか。

  • 24話

浦沢直樹先生も近年原案にした、プルートウ編前編。
これまた原作の長い話を超圧縮しており密度が濃い。脚本は山崎晴哉さん、コンテ石黒昇監督、演出はしもとなおとさん。
動画に、今はベテランの石踊宏さんと小林利充さんが再びいる。
本作の作風で覚悟はできてたとはいえ、プルートにやられていくロボットの死にかたがエグい、エグすぎる、こんな話があるかっ…ryってくらいエグい。しかも瞬殺。浦沢直樹版プルートは、各ロボットのロボット生を丁寧に描写していたが、本作は瞬殺・惨殺により悲惨さを出している。 

瞬殺とはいえ雑に描かれているわけではなく、とにかく今まで通り、一話内密度が濃い。
脚本の山崎晴哉さんは、この数年後キン肉マンの脚本を大量に書くことになるわけだが、このプルート編がキン肉マンに生かされたかもしれない。キン肉マンの超人バトルに通じるものがある。

ところで吉川斌Pつながりなのか、本作は
脚本面で山崎晴哉・金子裕・高屋敷英夫・杉江慧子さん、演出やコンテでは出崎哲石黒昇さんなど、とにかく東京ムービーでよく見る面子がホントに多いなあと思う。
東京ムービー作品には、倒産する虫プロから脱出した人達が多く参加しているが、不思議な縁だ。

とにかく、本作のコンセプトを実現するためには、脚本・演出・作画に相当腕の立つ人達が必要だったろうし、それが実現できている。
吉川斌さんは相当な名Pだったのでは。 

数々の名作のPである、日テレ・吉川斌さんについて、こんな記事が見つかった。ガンバの制作裏話のようだ:
http://www5d.biglobe.ne.jp/~megasan/gambasite/maegaki2.htm

今でいう、日テレ中谷Pみたいな感じかな。中谷Pは、カイジはじめ、日テレの名作のP。

ちょっと検索しただけでも、日テレ吉川斌Pについて色々出てきた。
残念ながら、詳しい人物像や、健在の如何がなかなか出てこない。
ともかく、この人がいなかったら、ガンバ・赤ルパン・家なき子・宝島・キャプテン・元祖天才バカボンなどなどが実現しなかったことになる、凄い人なのがわかった。

1980年版鉄腕アトム忍者マン一平、キャプテンに、はしもとなおとさんが頻繁に演出として起用されているのも、もしかして吉川斌Pつながりなのかなあ。

  • 25話

プルートウ編後編。前編に引き続きロボットの死に方がエグい。エプシロンの最期とか、劇中の子供&お子様視聴者にはトラウマもんだろ…
あと、相変わらず脚本の圧縮具合が凄い、凄すぎるwよくもまあ1話に収めたもんだ。
バトル×6、災害対処1、エピローグが1話内に収まるとか…22分前後を目いっぱい使うとここまで入るのかと…信じられない。

脚本は前編に続き、山崎晴哉さん。やはり後の脚本・シリ構作のキン肉マンぽい。
あと原画に湖川友謙さんいたのも驚き。動画に石踊宏さん再び出現。 

そもそも原作コミック1冊分まるまるを2話内に収めるのが狂気の沙汰。
弊害として、エピローグが駆け足で「おいおい…」と思う所があったが。

終盤のバトルは、巨大サイズロボの対決だけあり、マジンガーぽい。ファンの間では、手塚先生がマジンガーに対抗した説もあるが…はてさて。 

本作が原作の超圧縮なら、浦沢直樹PLUTOは、よくもまあ長編にしたもんだと思う。
ストーリーテラーの技量が試されるエピソードなんだと思う。 

本編の最後に、各ロボットへの追悼&人間への説教ナレが入るが、そうはいっても、死んだロボット達(特にプルートウに殺されたロボ)が浮かばれなさすぎる…まあ、そのやりきれなさが本作の特徴なのだろう。

  • 26話

脚本・絵コンテが手塚治虫先生、演出が出崎哲さん・作画が哲さんスタジオであるマジックバス回。
見始めてすぐに、上記面子であることに気付く。手塚先生のコンテは、シルエット演出が洋画やディズニーぽい。
また、手塚先生の脚本・コンテはギャグを忘れないという、漫画家の鉄則を守っているのも特徴。

そして出崎哲さん演出&マジックバス作画は作画はテカテカツヤツヤ、演出は男臭いテーマが詰まっている。今回も、恩の貸し借りを忘れない、アトラスの男(?)の美学が光る。 

今回も被害が甚大で、しかも愛犬が死にかけるという深刻さ。

手塚先生がちょこちょこギャグを入れるも、ロボの死に方が相変わらずエグい。

本作の方針に手塚先生も逆らえず、1話の密度が滅茶苦茶濃い。やっぱりこれって手塚先生の意向なんだろうか?
もう、やりすぎなくらい密度が濃い。 
あと、劇画と対立姿勢を取る手塚先生が、劇画調も得意とする出崎哲さんと手を組むことが多いのも不思議なところだ。代表的なものに、哲さん監督で手塚先生原作・監修のマリンエクスプレスがある。

それを言えば、哲さんの弟・出崎統さんは兄に輪をかけて劇画調なのに、虫プロ出身だし。 

ただ、出崎統さんはアートフレッシュという、(当時の)若手クリエーター集団の仕事もしており、虫プロの方針には無いものを、そっちでやっていたのかもしれない。

ともあれ、出崎兄弟どちらとも手塚先生と深い関わりがあるのは驚き。傍目には、特に出崎統さんは、手塚先生の対極に見えるので。 

出崎統さんは、手塚先生から「エンターテインメントを忘れないように」と言われたそうだが(wikiより)、手塚先生自身のコンテは、確かに「エンターテインメントを忘れていない」。これは、「漫画にはギャグを入れるもの」という漫画的方針の延長線上にあるのかもしれない。 

藤子不二雄先生の「まんが道」にて、主人公達がシリアスで救いの無いセミ・ドキュメンタリー漫画を描いたところ、編集者から、漫画でしかできないことをやっていない(ギャグの無さなど)、と指摘されてしまうエピソードがある。漫画の神である手塚先生も、漫画にしか出来ないことを追求していたのかも。

漫画らしさが無い漫画は、実写にも適用され得る「コンテ」になってしまう。詳しい台詞は忘れたが、まんが道の前述の編集者は「実写の真似事のような漫画を描いてほしくない」というような事を言っていた。

それは、アニメにも言える事なのかもしれない。手塚先生は、自身のコンテでそれを示している?

そう思うと、手塚先生はアニメにも大きな影響を与えたことになるわけで、手塚先生の功績はやはり並々ならぬものがあると、しみじみ思う。比較的早く亡くなられたのが、つくづく悔やまれる。

  • 27話

26話に引き続き手塚治虫先生の脚本。
相変わらず、「漫画家の鉄則」であるギャグを忘れない作り。コンテは石黒昇監督。
今回はロック、サファイアブラックジャックピノコが越境して出てくる。ここは流石に原作者脚本ならでは。

それにしても手塚先生、脚本やコンテかく時間をどうやって捻出していたんだ…。
あと、ここらからアニオリが多くなるそうだが、今回含め、アニオリになっても話の密度が濃いのは相変わらず。一話完結にこだわった結果、原作ストックがあっという間に無くなった感ある。

話は、全てのゴタゴタはロックのせいだろって感じだったw
黒幕の素顔を手塚先生に似せたりする遊び心もあるのは、やはり原作者脚本だなあという感じ。

  • 28話

脚本・金子裕さん、
演出・コンテ石黒昇監督
(コンテは吉田浩さんと共同)。
吉田浩さん、経歴見たらロボットもの凄く多い。ダンクーガとか:

https://www.google.co.jp/amp/s/www7.atwiki.jp/anime_wiki/pages/1026.amp

話は映画ネタを使ったエンタメ回なので、映画パロディが沢山出てくる。そういえば、同じ石黒昇監督のマクロスでも劇中映画がクローズアップされてたなあ、とか思い出す。

そして、相変わらず脚本の密度が濃い。脚本・演出・作画の休まるヒマが毎回無いのが恐ろしい。

脚本の密度の濃さについて、言い出しっぺは手塚治虫先生なんだろうか?前回27話含む手塚治虫先生脚本回を見るに。

石黒昇監督も手塚治虫先生も、やり出したからには完遂するしかないという事態にハマってしまったというか。それとも手塚先生の異常なペースに付いていった結果なのか… 
手塚先生自身の漫画も、1ページ内の情報量が多いからなあ。
それをアニメにするってなるとこうなるのか…

このペースの何がイカれてるかって、下手したら展開遅めの1クールアニメを、このスタッフなら3話で終えることができそうなところ。
士郎正宗作品を忠実にアニメ化できそう 。

  • 29話

続きものであるアトラス編、脚本は山崎晴哉さん。前に山崎晴哉さんが脚本を手がけたアトラス編の回想が入っていたり、整合性を取っている。話は相変わらず目一杯色々詰め込まれており、スタッフの時間の使い方が凄まじい。

そして相変わらず被害甚大で、北極の氷の大半が溶けるという未曾有の大ピンチ。それがお茶の水博士の作った陽子氷結爆弾でなんとかなるのが、かなり強引だがw
そして話を詰め込むだけ詰めたとばっちりで、アトラスは毎回、すぐやられる。
あと、動画にカブトボーグ監督の石踊宏さん再び発見。

アトラス編のアトラスが毎回アトムにすぐやられるパターン(その前の被害は甚大だが)、極力次回に引っ張らないという本作の構成方針に則っており、バトルもののセオリー(とにかく引っ張る)から外れていて新鮮に映る。そのためにかかるスタッフの負荷が凄い気もするが、子供を飽きさせない努力かも 。

だが、極力1話で終わらせるために、沢山のエピソードが必要になって辛そうな面が、中盤以降出始めている。
それはともかく、1話に詰め込む技量は凄まじいものがあり、語り継がれるレベルだと思う。 

  • 30話

ウランちゃん回なのに、相変わらずロボットの死に方がえぐい。石黒昇監督の直接コンテ回だからかな…。とてもロボット権のある世界には見えないw
脚本(金子裕さん)も相変わらず詰め込みまくっている。

この、話を1話に詰め込みまくりな件、石黒昇監督のコンテ回にて特に感じるから、監督自身の方針・技量も多々あると思う。

31話脚本は高屋敷さんなんだけど、金子裕・高屋敷英夫さんは色々な作品で共通で参加してるなあ。めぞん一刻の、二人の共著脚本は驚いた。なんとなくなパート区切りは感じたけど、確証はできないのが残念だ 。

ほんと脚本の共著は、どう個性を抽出するかが難しい。いきなり1話内で性格や雰囲気が変わったり、話の雰囲気が1話内で明確に分かれてたりする時はわかりやすい。

立場が上の人が大半を書き直した場合というのが、何か評するのが気まずい感じ。

  • 31話

私待望の高屋敷さん脚本回で、しかも出崎哲さん演出コンテ。作画も清水恵蔵さん、四分一節子さんほか、哲さんスタジオ・マジックバスの面子。私的に豪華メンバーすぎる。
高屋敷さんの過去作・未来作シンクロも沢山あった。

優しいお爺さん・年上男性(ロボット)が体を張る・自己犠牲・物に魂など、高屋敷さんの特徴が沢山出てきた。

また、高屋敷さんの、家なき子や赤ルパン演出などとのシンクロがある。特に列車のアクションネタは赤ルパン演出と多いに重なるのは驚いた。脚本なのに、演出時と同じ事ができている。

また、ベルばら(高屋敷さんコンテ・哲さん演出)や、ど根性ガエル(哲さんコンテ・高屋敷さん演出)でも感じられた、哲さんとの絶妙なコンビネーションが今回も炸裂している。
作風としては、高屋敷さんは、出崎統さんより出崎哲さんの方が近いのか?と時々思うほどだ。

面白いのは、本作の哲さん脚本・演出コンテ回では、妹型ロボットが体を張るが、高屋敷さん脚本・哲さん演出コンテである今回は、お爺さん型ロボットが体を張るところ(高屋敷さん特徴・味のある中高年)。なんかこう、二人の好みの共通性と違いがモロに出ている。アニオリ回だから特に。

という訳で、この回を見るにつけ、出崎哲さんと高屋敷さんの関係性というかコンビネーション技に益々興味が出てきた。

  • 32話

高橋良輔さん脚本で、やはりボトムズみたいにミステリアスな美女(ロボット)が出てくる。 そして本作全体に言えることだが、人やロボットの死に方がえぐい。そして若干22分にまたしても詰め込むだけ詰め込まれている。

そして、ロボット・クレオパトラが自分を作った博士を道連れに死を選ぶ。ここもやりきれない展開で、本作はとにかくビターなテイストが目立つ。それが本作の魅力なのかもしれない。 それにしても、高橋良輔さんの脚本は、監督作のボトムズ的なものを感じてしまう。特にミステリアスな美女に翻弄されるところ。

私が探求中の高屋敷英夫さんは、「演出も脚本も、やることが一緒」で、特に脚本から、映像に個性が出る妙技に惹かれるわけだが、 高橋良輔さんの「脚本」を本作で見てみると、高屋敷さんと同じように、やる事が演出と脚本とで同じ。そこが興味深い。

  •  33話

アトラス編。脚本は前のアトラス編と同じく山崎晴哉さん。すっかりバトルもの専門みたいになってきた。これもキン肉マンシリーズ構成になる布石か。
演出は出崎哲さん、コンテは石黒昇監督。

どうも、今回の高速地下鉄アクションや他の演出回を見るに、出崎哲さんはスピードアクションが好きなようだ。また、自身のコンテや演出も、超高速アクション(人体中心だが)が多い。なにげにスピード狂なのかもしれない。
そういえば、弟の出崎統さんも無類のスポーツカー好き。

また、統さんと同じく、男の世界好きは相変わらずで、アトラスは男の面子にこだわり、また、女の涙には真摯に向き合う。涙といっても、ロボットは涙を流せないので、目に
かかった水で代用している。.@nanashiborgerさんも書いていたが、 うまい演出だと思った。誰の発案だろうか?

あと、作画の清水恵蔵・四分一節子・小林ゆかり・小和田良博さんは、出崎哲さん監督のキャプテンの作画陣。キャプテンは、コロコロした可愛い絵柄だが、1980アトムでは陰影の濃い、テカテカ塗りで劇画調。この使い分けも、流石という気がする。出崎哲さん率いるマジックバスの底力を感じる。

また、出崎哲さんは男の世界好きだが、それを支える作画陣は四分一節子さん・小林ゆかりさんら、女性が目立つ。そこも面白いところ。
四分一節子さんは、プレイボール監督も手がけた(総監督は出崎哲さん)が、男の世界をキープしている。

  • 34話

城山昇さん脚本・コンテ石黒昇監督・演出秋山勝仁さん。 城山さん脚本&秋山さん演出&宇田川一彦さん作監は、じゃりん子チエでよくある組み合わせ。なんか突如出現した。やはり東京ムービー作品的な人脈を感じる。

相変わらず、ロボットや人に加え、動物の死に方もエグい。 この時代の城山昇さん脚本は、元祖天才バカボンやじゃりん子チエ脚本とか見るに、結構過激。それでいて、監督や演出の個性の抽出も上手い。 ここから思うに、話のエグさは石黒昇監督の個性なんだろうか。

話は相変わらず、約22分内に収まっているのが信じられない密度の濃さ。 あと、城山昇さん脚本参戦で、脚本面では高屋敷さん・城山昇さん、演出面では秋山さん、とチエスタッフが集ったことになる。ど根性ガエルのスタッフの多さに加えて、不思議な縁。

  • 35話

脚本・金子裕さん、演出・宮崎一哉さん、絵コンテ・山谷光和さんという、本作ではおなじみの面子。演出の宮崎一哉さんだが、グレンダイザーやゴッドシグマなど古典ロボットアニメの参加が多い。
https://www.google.co.jp/amp/s/www7.atwiki.jp/anime_wiki/pages/2576.amp

山谷さんだけでなく、脚本・演出・作画面すべてで、他のロボットアニメに参加していた・後に参加するスタッフが多く、アトム自体がロボットアニメのパイオニアのひとつなのだと実感する。アトムのような自律タイプ・マジンガーのような人が乗り込むタイプに分化はされていくが。

相変わらず話の密度は濃く、これが1話内に収まっているのは異常。検索すると、スタッフ欄に「構成・手塚治虫」と書いてある紹介サイトもあり、この密度の濃さの言い出しっぺは、やはり手塚先生なんだなと思った。手塚先生のネームも密度が高いし。同じ脚本家の他の作品では、ここまで詰め込んでない。

時間をどう使うかは作品によって色々だが、この1980年版鉄腕アトムの1話内での話の詰め込み方は、同時代の他の作品と比べてもおかしいレベル。手塚治虫先生の漫画のネーム量をアニメにも適用しようとするとこうなるのか…という感じ。つくづく、脚本家に相当な技量が求められる作品だと思う。

  • 36話

石黒昇監督のコンテ。思えば、ど根性ガエルやヤマトで山ほどコンテを切っていたわけだから、自身監督作でもコンテは沢山切るのか。
話は海中アクションで、山のように出る魚の作画が凄まじい。

また、作品越境で人魚型ロボット・ピピが出ているが、凄く可愛い。なんとなくやばい可愛さ。流石は手塚先生、色々なフェチがあるというか。
脚本は相変わらず密度が濃く、皿田明さんという人。調べたら水戸黄門など、時代劇の文芸を担当しており、アニメは少ないようだ。

また、相変わらず被害規模がでかい。
よく考えたら、同じく石黒昇監督作のマクロスも、マクロスにいる人達以外の地球人が殆ど死んでるという規模のでかさだった。段々石黒昇監督の趣向が見えてきた。

  • 37話

脚本が城山昇さん。
城山さんは中盤以降からの参加だが、この作品の構成方針に則り、詰め込めるだけ詰め込んでいる。終盤の詰め込み方は異常で、カット数も膨れ上がっている。心配になるレベル。

これは原作つきの話だが、それにしたって詰め込み具合がおかしい。
ところで、演出の、はしもとなおとさん、脚本の城山昇さんは「キャプテン」スタッフ。はしもとなおとさん、色々な作品で名前を見かけるので気になるところである。
ちなみに今回も、動画に石踊宏さんがいる。

ちなみに原作通りの模様だが、アトムは首を取られても喋れる。やはりメモリ系とかも胸のあたりにあるんだろうか。

  • 38話

アトラス回。いつの頃からか、アトラス回は出崎哲さんが演出、脚本が山崎晴哉さんが定番に。今回は演出が出崎哲はしもとなおとさん、コンテが石黒昇監督。演出・作画が「キャプテン」スタッフ。

話は相変わらずの過剰な詰め込み具合で、終盤駆け足すぎな所が残念。作画は出崎哲さんスタジオのマジックバス。清水恵蔵・四分一節子・小林ゆかりさんほか「キャプテン」作画陣が率いており、クオリティ高め。アトラス編に対する気合いが感じられる。

それにしても、出崎哲さんと、はしもとなおとさんの関係は気になる所である。「キャプテン」も、出崎哲監督コンテ回にて、はしもとなおとさんが、よく演出をしている。固い信頼関係だったのだろうか? 

  • 39話

私が探求中の、高屋敷英夫さん脚本回。
あと、コミックシーモアで原作をレンタルして読んだ。
戦慄したのは、雨の中アトムがケガ(義体の不調)をしたホームスパンをおんぶし、心を通わせるシーン。はだしのゲン2脚本と被っていく。

はだしのゲン2脚本では、序盤・中盤・終盤でゲンが母をおんぶする構成。そして終盤、母はゲンにおんぶされながら死ぬ。最期、母はゲンの成長を感じ取りながら死ぬわけだが、今回では、アトムに背負われながら、アトムの男気を感じ取ったホームスパンが心を開く。おんぶ演出の歴史はこっちが先だった。

高屋敷さんの、おんぶ演出については、私が観測したところでは、この1980年版鉄腕アトム脚本→はだしのゲン2脚本→RIDEBACK脚本→マッドハウス版XMEN脚本…となる。探せばまだあるかもしれない。
あと、このシーンにてアトムが、少年から男の顔に豹変する(特徴)。

高屋敷さんとロボットアニメの相性については、「物には魂がある」と同氏が捉えている点では相性がいいが、もう一つの得意分野である「少年から男への成長」については相性がよくない(ロボットは基本、成長しない)。それが、担当本数が少ない理由の一つかもしれない。

だが今回、アトムが「男」を見せることができるように、色々状況設定を工夫している。
あと、オリキャラのDr.ワクチンに、「伝統とは血液ではないよ。心の中の誇りがそれを支えているんだ」というアニオリ台詞を言わせている。同氏作品で、疑似家族と、その愛がよく出ることの答えの一つかも。

とにかく、おんぶ演出と、「伝統とは血液ではないよ」、これは大収穫だった。ちなみに、スターシステム採用で、ホームスパン役を七色いんこが演じている。あと、本作全体に言えることだが、やはり長い原作を超圧縮しているのが凄い。

  •  40話

脚本・コンテが高橋良輔さん、演出が石黒昇監督という、ボトムズ監督×マクロス監督の共演。
原作未チェックだが、おそらくこれも長い原作を超圧縮していると思われる。
高橋良輔さんの脚本は意外にウェットな部分も多い。

硬質でドライなイメージのボトムズが、実際見てみるとウェットな所があるのを思い出す。
そして石黒昇監督の演出は、ロボットの死に様が(いつも)エグい。一体これは何がルーツなのか…興味深いところではある。

  • 41話

石黒昇監督と共同で脚本と絵コンテをやっている村野守美さん、マンガ家としても有名で、白黒アトムのスタッフでもある人と知り驚き。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E9%87%8E%E5%AE%88%E7%BE%8E

この村野守美さん、2011年に亡くなっているのが悔やまれる。
演出は出崎哲はしもとなおとさん共同、作画は清水恵蔵さんや四分一節子さんなど、哲さんスタジオ・マジックバスの面々。
話は原作でも目立つ(未チェックだが)ガロンのエピソード。

アトラス回といい、このガロンといい、アトムのライバルロボの話にマジックバスの面々が登板するのは、ロボバトルが得意だったからだろうか?哲さん自体は、次第にロボアニメと距離を置いていくようになったらしいが。

あと、出崎哲さんと、はしもとなおとさんは共同で演出を行う程の仲なのか。哲さん監督作「キャプテン」では、哲さんコンテ×はしもとなおとさん演出回が多かったが、以心伝心の仲だったのかもしれない。
もっとも、今回のような複数人演出というのは修羅場っぽくてやばそうだが。

  • 42話

脚本は本作初出の藤川桂介さん。

演出・安濃高志さん、
コンテ・西村緋祿司さん。
西村緋祿司さんを調べたら面白い経歴。虫プロ出身、みんなのうた等も手がけている。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E6%9D%91%E7%B7%8B%E7%A5%BF%E5%8F%B8

脚本に藤川桂介さんが加わったということは、脚本陣の荒木芳久・杉江慧子さん、演出陣の出崎哲さん、作画陣のマジックバス他と合わせると、新エースをねらえ!のスタッフも集まってきた。新エースをねらえ!も本作も、日テレPが吉川斌さんなので、その関係かもしれない。

話はゲストロボ達が可愛いものの、世知辛いディストピア世界が描かれており、石黒昇監督のディストピア好き(?)が出ている気がする(同じく石黒昇監督のメガゾーン23と比較)。

  • 43話

アトラス編ラスト。
脚本・山崎晴哉さん
演出・出崎哲はしもとなおとさん
コンテ・石黒昇監督。

いやもう、石黒昇監督が後にマクロス監督となる要素がガッツリ入っていて、気合の入ったドッグファイト場面や戦闘機描写が凄まじい。

というか、場面を切り取ってマクロスの一場面だと言ったら大抵の人が信じこむレベル。
作画もアトラス回おなじみの、出崎哲さんスタジオ・マジックバスの、清水恵蔵・四分一節子さん達で、ハイクオリティ。
話も詰め込めるだけ詰め込んであり、これが最終回でいいんじゃないかなという感じ。

ただまあ、最終回にするには、あまりにビターな結末なので、ここが最終回ではないのも、しょうがないのだが。
それにしても今回、地球がインベーダーにより壊滅的な打撃を受けたのに、次回から日常に戻るっぽいのは違和感がw
まあ、本作内の被害規模がでかいのは、いつものことなのだが。

興味深いのは、演出の一人の出崎哲さんが、本格的なメカ戦を手がけていること。なんとなく、ロボット・メカものから、後年は距離を置いてるっぽいので意外。
とにかくマジックバスの底力を感じられるし、石黒昇さんが後にマクロス監督になるのが納得できる名回。

  • 44話

脚本・金子裕さん、演出・宮崎一哉さん、コンテ・山谷光和さん。

前回のアトラス編ラストが地球の危機だったのに、今度は東京中の電力やロボットのエネルギーが失われる危機。相変わらず被害甚大。

この話は原作にもあり、ほぼ忠実だが、大量のロボットが合体したロボットが流行りのデザインに変更されている。

また、東京の被害が甚大な件については、同じく石黒昇監督の、メガゾーン23における都市大崩壊や、マクロスにおける、人類ほぼ全滅に生かされているようだ。

  • 45話

脚本・城山昇さん、演出コンテ・石黒昇さん。
ウランちゃん回。
遊園地のメインコンピュータが暴走して、自分が神だと思い込む話だが、同じく石黒昇監督作のメガゾーン23のメインコンピュータ・バハムートが思い出される。

ちなみに、おもちゃ屋さんのシーンで、ザンボット3コンバトラーVが登場してたりする。
この頃の城山昇さんの脚本は、良い意味でエキセントリックで、かつ監督や演出の個性を引き出す特徴もある。今回も、良い意味でイカれている。

ところで1980年版アトムは、ウランちゃん当番回は特殊EDまであるのに、何やら全体的な存在感は地味な気がする。プルートウとの交流も、尺の都合で短いし。2000年代版アトムの方が、プルートウ関連で目立っていたような気がする。

  • 46話

脚本:手塚先生、演出・作監:正延宏三さん、コンテ:手塚治虫先生&石黒昇監督という、手塚先生参加回。そのせいか、ノリや動作が原作コミックぽい。メカまわりは当時の流行に沿っていて、石黒昇監督パートっぽい。

話は、天馬博士がアトムに対して不満だった点(身体が成長しない)を補おうとする博士が出てくる。その博士の技術とは、自分の息子としてロボットを作り、そのボディを成長年齢に合わせて変更していくというもの。原作者ならではの観点で話を起こしている。ちょっと攻殻っぽい話。

この話に出てくる息子ロボットは、完全に自分を人間だと信じ込んでいた。
攻殻原作コミックに、「そんな精巧なロボットがいたら、それはもう“人間”なんだよね。差別すんなヨ」とフチコマが解説するコマがあるが、対比すると面白い。
また、手塚先生の、時代先取り能力に戦慄を覚える。

前述のフチコマの台詞と同じような感じで、息子ロボットは、自分がロボットだとカミングアウトしても、皆に認められてハッピーエンドになっている。
アトム世界のロボットは、攻殻で言うところの「ゴースト」を獲得しているものと思われ、そこも攻殻と比べると興味深い。

  •  47話

Gyaoの1980年版鉄腕アトムの47話無料配信始まった。
脚本:藤川桂介さん、演出:宮崎一哉さん、コンテ:永樹凡人さん、演出助手:石田晋一さん。
本作にて、今回ほか多数演出助手をしている石田晋一さんが気になったので検索してみた。
https://www.google.co.jp/amp/s/www7.atwiki.jp/anime_wiki/pages/5990.amp

本数としてはパーマンが多い。もしかしたら、変名で手がけた作品もあるかもしれない。
話は、アトムは睡眠中に見る夢も、将来の夢も無いが、人に夢を与えることはできるという、何やら哲学的な話。PKディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」的な。電気羊~はタイトルのような話ではないが。

調べたら、電気羊~は、日本語版は1969年が初版。脚本の藤川桂介さんが、電気羊~のタイトルからイメージを膨らませた可能性が少しは考えられる?ちなみに電気羊~はブレードランナーの原作なのだが、話は原型をとどめていないレベルで違う。

話を戻すが、アトムには夢がないが、人に夢を与えることはできる…という、今回の結論は、現実にも起こっていること(ホンダのアシモなど)なので、先見の明がある。

  • 48話

脚本:杉江慧子さん、演出:宮崎一哉さん、絵コンテ:永樹凡人さん。
脚本の杉江慧子さんは、アニメではおそらく今回が遺作。オンエア時には亡くなっている。以前も書いたが、荒木芳久さんの手記によると才女だった模様。

また、以前ツイートしたことがあるが、ベルばらでの、蛍が舞う中でのアンドレとオスカルのラブシーンは杉江慧子さん発案とのことで(wikiより)、これは、私が高屋敷さんを探求する中で不思議に思う、「脚本からの演出」について大きなヒントを貰った逸話でもある。(私の高屋敷さんについてのブログ:  http://makimogpfb2.hatenablog.com/ )

話は、原作つきの話で、おそらく長い話を超圧縮していると思われる。ロボット「火の玉」がショタかわいい。シリーズ構成としては、中期くらいにやるべきエピソードだと思うのだが、杉江慧子さん亡き後のオンエアを考えるに、何らかの事情で寝かせてあった脚本なのでは?と推測してみたり。

杉江慧子さんには、もっと生きて欲しかったと強く思う。色々アニメ史に残すべき情報を持っていたと思うし、自身のお仕事もアニメ史的にもっと語り継がれていくべき。
名作アニメで杉江慧子さんの名前を見かけたら、ぜひ思いを馳せてほしいと思う。

  • 49話

脚本:城山昇さん、演出:笠原達也さん、コンテ:安濃高志さん。
演出の笠原達也さんは劇場版マクロスの演出に参加している。石黒昇監督つながりか

https://www.google.co.jp/amp/s/www7.atwiki.jp/anime_wiki/pages/5822.amp

また、作監の樋口善法さんは今も活躍するベテラン。最新は魔法使いの嫁原画。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%8B%E5%8F%A3%E5%96%84%E6%B3%95

話はウラン回。ゲストロボ・ゼウースがウランが惚れるの納得の美形。あと、ロボットの死に方が本作の特徴でえぐい。また、オチに驚く。ちなみにランプが敵役で登場している。

  • 50話

脚本:手塚先生・山崎晴哉さん
演出:出崎哲さん・はしもとなおとさん
コンテ:西村緋祿司さん
出崎哲さん演出参加なので、作画は当然、清水恵蔵さんや四分一さんなど、哲さんスタジオのマジックバスの方々。相変わらずクオリティ高い。

手塚先生が脚本に絡んでいるためか、序盤・中盤・終盤で死亡者が出るなどビター展開。
話は、相変わらず詰め込めるだけ詰め込んでいる。手塚先生も山崎晴哉さんも密度の濃い脚本が上手いため尚更。バイキングの秘宝を追う話のはずだが、ラストは死亡者が出て、ほろ苦さが残るものになっている。

  • 51話

脚本:手塚先生、石黒昇監督、

演出:宮崎一哉さん、
コンテ:石黒昇さん。
脚本に手塚先生が絡んでるだけあり、手塚先生の漫画がそのままアニメになってる感あり。
話も手塚先生の漫画のように二転三転する。

手塚先生も石黒昇監督も、エグい展開が持ち味なので、今回の被害者は多い。

あと、石黒昇監督のコンテが、ど根性ガエルの同氏コンテに共通するものがある。出崎哲さんと同じく、大胆遠近が持ち味。哲さんは超大胆だが、石黒昇監督のは少しマイルドめ。
また、毎度のことだが、話の圧縮具合が異常。

  • 52話(最終回)

脚本:手塚先生
演出:石黒昇監督。
いきなり実写の手塚先生が出てくるが、この実写パートを撮っているのが、手塚先生の息子の手塚眞さんだったりする。
話は原作でも有名なニョーカの話。

流石は鬱くてエグい話が得意な手塚先生と石黒昇監督、最後も鬱くてエグい。
冒頭で手塚先生が「悲しいお話です」とネタバレする始末。

話は、アトムが好きになった少女ロボットが中性子爆弾機能を持っていたため、最後にバラバラにされ足だけが残り、その足がアトムに移植されたという話。

この話にて「ロボットが恋をするのか」「ロボットが死を悼み、形見を求めるのか」という問題に取り組んでいる。ここまでできるロボットなら、やはり攻殻(原作)のフチコマの言う「そこまで精巧なものが出来たらそれはもう人間なんだよね」が思い出される(前も書いたが)。

攻殻原作のフチコマ攻殻SACのタチコマ、ともに魂(ゴースト)と呼べるようなものをもち、特定の人(バトー)になつく、死や悲しみを理解しようとするなど、色々な可能性を見せており、「戦闘兵器としてのロボット」と「心を持つロボット」の両立という点で、アトムに通じるものがある。

まあ極論を言えば「全てのロボットアニメのルーツを辿るとアトムか鉄人28号に行き着く」のかもしれないが…
80年代に入るとテカテカ塗りの(当時の)最先端ロボットアニメが多く出てくるようになる。
そういった年代の初頭に、アトムと鉄人28号が同時期にリメイクされたのは面白い。

あと、1980年版鉄腕アトムで特筆すべきは「脚本の密度の濃さ」。とにもかくにも、22分前後以内に色々な事が起こりすぎるくらいに起きる。これは、前にも書いたが、「子供を飽きさせないために引き伸ばさない」よう手塚先生が方針を固めたのかもしれない。

これを実現するために、全スタッフが全力投球している感じがする。時に、やりすぎてる感があるが…。
また、様々なクリエイターの重要な地点になっている気がする作品。
とにかく、「話の密度の濃さ」、これが一番強く印象に残る作品だった。
やたら引き伸ばしがある話が苦手な人に、強くおすすめしたい。

新エースをねらえ!スタッフ詳細・その歴史を辿ってみた

Dlife再放送につき、スタッフを調査。旧に比べて情報が少ないため。

以下 敬称略

 

メインスタッフ

監督

岡崎稔

アラレちゃんの監督やベルばら演出、ときめきトゥナイト演出など(詳細はwiki )

 

(総)作監 端名貴勇

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/13293.html

元祖バカボン一人原画て凄い。

作監クレジットがOPの一人だけでも、昔の東京ムービーのスタイルだと各請けスタジオの影作監はいる気がする(ど根性ガエルマッドハウス請け回の作監が杉野さんだったという、大橋学さんツイート参考))。その証拠に、本作品も後半はEDに「担当作監」がクレジットされるようになる。

 

美術

小林七郎

昔の名作では、出崎統作品をよく手がけた大美術師。AKIRA背景(水野利春さん)やジブリ背景(男鹿和雄さん) など名美術師の師とも言える人。最近ではミルキーホームズ美術などもした。今は引退気味の模様?最近行われたイベントに出席している

 

撮影

高橋宏固

出崎統作品全盛期に編み出された海辺キラキラや入射光、透過光(周りを暗くしてスポットライトを当てる感じにする)、MAXバックライト(超逆光)、画面分割の実行?をしていた人。本作もキラキラや入射光、分割が見れる。ちなみにベルばらもしており、こちらもキラキラ。今はT2スタジオというスタジオを構え、デジタルでも再現している。(新ルパン撮影もT2スタジオ)

 

音楽

馬飼野康二

ベルばら、ザブングルキン肉マンなど名作BGMで有名。歌手のための作曲も膨大 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%AC%E9%A3%BC%E9%87%8E%E5%BA%B7%E4%BA%8C

 

選曲

鈴木清司

ルパンなどの有名なショートジングル(タイトルコール音)などを作曲したため、ベルばら、本作でもルパン的なショートBGMが使われる

 

1話

演出:

岡崎稔監督

 

脚本

藤川圭介

ゴッドマーズ、999など脚本担当作品多すぎるベテラン。ラノベ人気作、宇宙皇子の作者でもある。どうやらシリーズ構成も務めているっぽい気がする。ただ、この頃の「文芸」はシリーズ構成を指すこともあったらしく、確定できず。

 

1話

原画 河村信道 

パタリロ作監など

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/8537.html

高橋英吉

キン肉マン作監を大量にこなし、オレンジロードのシリーズ構成と脚本をしたりと、作画・脚本両方できる人?近年もワールドトリガー作監など http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/6722.html 川口栄夫 http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=849940

動画

上野茂々子

劇場版999やキン肉マン動画など

村松啓子

ジャン・バルジャン物語、ポコニャン動画など 加藤良子 さらば宇宙戦艦ヤマトジャン・バルジャン物語動画、ゴーディアン原画など

三原武憲

クラシック作~最新作まで手がける演出家に。最新作は、うまるちゃんコンテやダイヤのAコンテなど。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%8E%9F%E6%AD%A6%E6%86%B2

椎谷繁

ゴーディアン原画など

高橋実紀子

ムテキング動画など

清野治美

ゴーディアン動画など? 「浩美」では、ほえろブンブン原画や、さよなら銀河鉄道の動画など。他の人のラインナップも考えると清野治美=浩美は同じ人?

2話

(敬称略)

演出 

井内秀治

ダンバインエルガイムなど、サンライズものも多い

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%95%E5%86%85%E7%A7%80%E6%B2%BB

脚本

藤川桂介


原画

川筋豊

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/5764.html


梅津美幸

ガンダムなど。


笠原茂

ドカベンヤットデタマンバルディオスなどの原画


動画

海藤裕美子

ガンダムドラグナー等の原画、ガルマ散る回も原画

 

吉沢亮

動画チェッカーに

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/18769.html


柳原美恵子

ヤマト2原画


美術陣

石垣努(石垣プロ社長)


撮影陣

白井久男(スタジオコスモス社長)

攻殻エヴァも撮影

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E4%BA%95%E4%B9%85%E7%94%B7


森下成一

ノワール等の撮影監督

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/2320.html


藤田丞

999撮影など


原真悟

ドラえもん特殊撮影など

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/15038.html


制作進行

柳内一彦

膨大な数のアンパンマン映画のプロデューサーを務める

http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=266433

 

文芸担当

小野田博之

ピンクルパンシリーズ構成など

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/7514.html

 

 

3話

脚本

荒木芳久

ガンダム等多くの脚本を手がけた。同氏手記がネットにあるが、非常に興味深い話が大量にある。(名前でぐぐれば出る)

例えば、ガンダムでウッディのキャラ付けをしたり、ウッディとマチルダの結婚式のイメージを挿入する指定を脚本から行った。

また、ウッディが死ぬ展開にしたのも同氏。

 

演出

出崎哲

出崎統氏の兄にして、毎度非常にユニークで大胆な演出をする。統氏と似ているようで大分違う、よりダイナミックな演出が特徴。

回転演出や超大胆遠近が特徴。

ちょっと出崎哲さんについては、私が調べてる高屋敷英夫さんに大分通じる所があるので、以下ピックアップ。

旧弟監督版でも、なんちゅう格好でしゃべってるんだ的藤堂さんが出た。兄版はアングルが違うが…兄弟とも船・船乗り好き。

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船が弟版よりでかいのが特徴 f:id:makimogpfb:20160418163556p:plain

 

弟ゆずり?の分割演出が出たが、こちらも統氏と違い大胆で、コミカルで楽しい場面で使う。 サイドミラーに映る演出は、旧で統監督がグラサンに映る演出に似ているが、弟版はシリアス。こっちはコミカルっていうか、二人で食い倒れツアーしてるだけなのにこの凝りよう。

あと分割がこんなに自在にできるのは、撮影監督の高橋宏固さんがいるためなのか。

しかし、こんなに分割が出たのは哲さん演出回のみf:id:makimogpfb:20160418163654p:plainf:id:makimogpfb:20160418163718p:plainf:id:makimogpfb:20160418163730p:plain

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プリズムやカメラ傾けも、兄弟ともやるf:id:makimogpfb:20160418163934p:plain

哲式分割。やっぱりコミカルで、使う理由が食べ物の交換ってのが可愛くて笑えるf:id:makimogpfb:20160418163953p:plain

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足だけ映すのは、兄弟ともよくやる。歩行、走行に惜しみなく背景動画を使うのも兄弟とも同じf:id:makimogpfb:20160418164025p:plain

単色演出も兄弟ともやる。弟式は、黄色や紫が多い。兄は緑とか茶色f:id:makimogpfb:20160418164050p:plain

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大胆遠近・地平線が大胆カーブも、兄弟ともやる。兄式はやっぱ大胆なのが特徴f:id:makimogpfb:20160418164119p:plain

哲氏の最大の特徴の一つ、哲式回転(今回は上半身ひねり)。時代を経るにつれ、どんどん回転作画の難易度があがる。これも四分一さん・清水恵蔵さんが常に作画についてから、どんどん凄くなった

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原画 

下記お二方は、出崎哲氏行くところ必ずいる、哲氏スタジオのマジックバス重鎮。二人とも監督や演出も多数。かと思えば今でも原画を描いたりする(ダイヤのAベイビーステップなど)

清水恵蔵・四分一節子

 

井上和夫

(アニメ編集の人とは同姓同名)

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/11153.html

動画

飛翔マリ子 (100万年地球の旅 バンダーブックの動画など

木村友和

一発貫太くん制作進行、ハットリ君作監などが検索すると出る

外山一博

マジックバス一員として劇場版ルパン三世1の動画をしている。

ほえろブンブン、バンダーブック鉄人28号太陽の使者、マリンエクスプレスうる星やつらの原画など。出崎哲さんが関わる作品が多いので、マジックバスの一員ということかな。

4話

脚本 荒木芳久 (3話参照)

演出 西牧ひでお(秀夫)

のび太の宇宙開拓史監督 など多数

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E7%89%A7%E7%A7%80%E5%A4%AB

原画

山崎猛

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/5148.html

ルパンで一人原画をやった人

スタジオコメットに所属? イニD作監も多い。

最近、新ルパン(第4シリーズ)原画に登場。

 

小野隆哉

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/7599.html

 

内田廣之

近年は灰羽連盟の原画の記録あり。他の仕事はネットには情報が無い。でも、もっとありそう

http://www1.vecceed.ne.jp/~m-satomi/HAIBANERENMEI.sub.html

動画

元久

ドラえもん1期の原画に名がある。他はもっとあるだろうが不明

http://hanaballoon.com/dorachan/data/anime/ooyama/list1979a.html

寺田千久紗

膨大な数のおじゃる丸作監をこなす

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/4225.html

山本とみ子

スタジオ童夢設立者の夫人?

童夢 (アニメ制作会社) - Wikipedia

白井桂子

劇場版エースをねらえ!も動画。 原画として戦中アニメ 「火の雨がふる」「うしろの正面だあれ」がある。他は不明

島田明子

コブラ劇場版、おれは鉄兵姿三四郎などの動画 どうやらテレコムの人? カリ城の動画検査をした 櫻澤裕美(桜沢裕美) ドラえもんの動画検査が多い

http://www.tvdrama-db.com/name/p/key-%E6%A1%9C%E6%B2%A2%E3%80%80%E8%A3%95%E7%BE%8E

5話

演出

不二(藤)みねお

まいっちんぐマチコ先生ドラえもん藤子不二雄作品アニメをよく担当していたようだ。まとまったリストがなく、とりあえず検索で見つかったのは上記。

脚本

杉江慧子

ベルばら、赤ルパン、家なき子、など多くの名作の貢献者。特にベルばらのホタルの舞うオスカル・アンドレのラブシーンを発案した(ベルばらwiki)。

また、この作品の脚本陣の荒木芳久氏の手記にも、多くの脚本家が杉江氏から少女や女性の心理を学んだ事が窺える。

この話も飾らない少女らしさが出ていてコミカル。

荒木氏手記によれば残念ながら80年代初期に変死で亡くなっている。

原画

山口英一、岩国史郎、宇部健二(今の所、他作品は検索では見つからず)

動画 (今の所、全員、他作品は検索では見つからず)

三重昭二

桑名辰男

鈴鹿美樹

津良夫

 

6話

演出

山吉康夫

ベルばら初期(長浜監督期)の斬新すぎる演出が凄い。超コマ切れ分割、大胆な衝撃音や漫画のコマ割的演出など。とにかく劇的。 最近アニマックスで放映されたデビルマン(演出助手)や、ご近所物語演出にも名前発見。

東映出身・東京ムービー名作も手がけ、こち亀キン肉マンなども。

残念ながら2000年代に亡くなっている。遺作はプリキュアSS演出。

サリーちゃんに始まりプリキュアで終わるのが凄い

脚本

藤川圭介(1話参照) 実質シリーズ構成?

原画

河村信道

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/8537.html

高橋英吉

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/6722.html 川口栄夫 http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=849940

動画

上野茂々子、松村啓子、 加藤良子、三原武憲、椎谷繁、清野治美(浩美?) 、 高橋美紀子(全て上記1話参照)

 

仕上スタッフに、AKIRA 色指定陣の池内道子 http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/8255.html

7話

脚本

藤川桂介

演出

出崎哲

ちなみに出崎哲さんスタジオ、マジックバスのイタズラ描きがある

「マジックバス取材」の張り紙。

 

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あと、哲さんらしい、出崎哲式止め(単色や、じわじわ止めが多い。弟の統氏はビタッと止まる)や、特徴の超大胆アングル、高速回転。回転は、無印ではサッカーボールだったが新はラケット。しかも折れた柄も回転、更に回転の複雑さが増してるwちなみに、この話にあたる無印版の演出は、哲氏が大好きっぽい高屋敷氏である。

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原画

おなじみ哲さん組。清山滋崇氏もマジックバス回の作監をしていることが後期クレジットで判明。

清山滋崇

じゃりん子チエ作監など、とにかく名作から最新作まで超ベテラン。最近ではダイヤのAや新ルパンなどの原画、トライブクルクル作監など。 

清水恵蔵 

井上和夫 

四分一節子

 

動画

飛翔マリ子 

木村友和 

外山一博

 

8話

脚本 荒木芳久

以前の回参照。

演出 井内英治

2話参照。よく見たらガンダムBFTとか、最近もサンライズロボットアニメ多い

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%95%E5%86%85%E7%A7%80%E6%B2%BB

※五話と同じ面子。他作品データ見つからず

原画

山口英一

国史

宇部健二

動画

三重昭二

桑名辰男

鈴鹿美樹

津良夫

9話

脚本 

荒木芳久

演出 

新田義方

デビルマンの演出もしたベテラン。チャー研の演出陣でもあったため、チャー研の話を色々知ってる?ツイッターもある模様

原画

鈴木孝夫 

坂井文夫

(既述)

動画

岡崎恵三 

鈴木智津子 

今井悟朗

 

10話

脚本

杉江慧子(前述)

演出

岡崎稔監督

原動画とも5、8話と同じ面子。他作品データ見つからず

原画

山口英一

国史

宇部健二

動画

三重昭二

桑名辰男

鈴鹿美樹

津 良夫

 

11話

脚本 

杉江慧子

演出 

山吉康夫

 

原画

1話と同じ面子。1話参照

河村信道

高橋英吉

川口栄夫

 

動画

1話と同じ面子。1話参照

上野茂々子

松村啓子

加藤良子

三原武憲

椎名繁

高橋美紀

清野治美

 

制作進行

水沼健二

BT Xプロデューサーなど

その他作品:

http://sakuhindb.com/tj/6_BFE5BEC2B7F2C6F3/

 

12話

脚本

藤川桂介

演出
出崎哲

原画

 

担当作監 

清山滋崇

 

おなじみチーム出崎哲
清水恵蔵
四分一節子

井上和夫(編集の人とは別人)
ほえろブンブン原画など

動画
飛翔まり子←PN?
バンダーブックやほえろブンブンなども動画
木村友和
超人ロック原画など
http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=853962

外山一博
ルパン劇場1の原画など
http://www.animemorial.net/ja/staff/%E5%A4%96%E5%B1%B1%E4%B8%80%E5%8D%9A

林一哉
昨今では「ふるさと再生日本の昔ばなし」で絵コンテ、作画、演出など
http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=279899

13話

脚本 

荒木芳久

演出 

岡崎稔監督

 

原画

中村たかし

(名アニメーターのなかむらたかし?)

高橋由美子

アニメ80日間世界一周、ワタル原画など

星川信芳

ど根性ガエルご近所物語などあらゆる名作に名がある

堀本義法

他はアンデス少年ペペロの冒険の動画以外、情報見つからず。多分もっとある

 

動画

宮林栄子

高橋里江

山沢実

羽戸根良昭

14話

脚本 

杉江慧子

演出 

新田義方

デビルマン演出などから様々なアニメ演出を手がけたベテラン。チャー研演出陣でもある

 

原画

鈴木孝夫

マグネロボガ・キーン作監

怪物くん絵コンテなど

坂井文夫

ゴーバリアン動画作監など、動画チェッカーに?

 

動画

岡崎恵三

ゴッドシグマ作監など

http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=944236

鈴木智津子

データ見つからず

今井悟郎

データ見つからず

 

15話

脚本

藤川桂介

演出

井内秀治

原動画とも5、8、10話と同じ面子。他作品データ見つからず

原画

山口英一

国史

宇部健二

動画

三重昭二

桑名辰男

鈴鹿美樹

津 良夫

 

16話

脚本 

荒木芳久

演出 

山吉康夫

ユニークな分割やド派手な演出が得意。ベルばら初期は山吉演出が爆発。

 

原画

1話参照

河村信道

高橋英吉

 

動画

(1話と同じ)

上野茂々子

加藤良子

三原武憲(前述)

浜津守 演出家、演出協会発起人、講師も務める

http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=263728

トルーパー外伝監督やルパンOVA生きていた魔術師など。受賞も多い

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%9C%E6%B4%A5%E5%AE%88

 

小曽根孝夫

ビックリマンダイの大冒険など多数作監

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/15614.htm

 

17話

脚本
杉江慧子

演出
出崎哲

 

原画

担当作監 清山滋崇

おなじみチーム出崎哲
清水恵蔵
四分一節子

井上和夫(編集の人とは別人)
ほえろブンブン原画など

 

動画
飛翔まり子

喜寿

木村友和
超人ロック原画など
http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=853962

外山一博
ルパン劇場1の原画など
http://www.animemorial.net/ja/staff/%E5%A4%96%E5%B1%B1%E4%B8%80%E5%8D%9A

林一哉
昨今ででは「ふるさと再生日本の昔ばなし」で絵コンテ、作画、演出など
http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=279899

 

18話

脚本

藤川桂介

演出

井内秀治(前述)

 

原画(14話参照)

鈴木孝夫

坂井文夫

 

動画(14話参照)

岡崎恵三

鈴木智津子

今井悟朗

 

19話

脚本

藤川桂介

 

演出

西牧ひでお
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E7%89%A7%E7%A7%80%E5%A4%AB

ドラえもん映画の名作を監督している

 

担当作監

鈴木寿美

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/13324.html
アンパンマン絵コンテや演出など?
https://tgws.plus/anpandb/staff-101
別名義:鈴木笹次郎、会津すみ(コンテや演出時)

 

原画

椛島義夫

無印エースをねらえ!総作監陣。ガンバのキャラデなど有名

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%9B%E5%B3%B6%E7%BE%A9%E5%A4%AB

山崎タケル(山崎猛)

http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=486009

イニD作監が多い。

スタジオトリプルA社長。

近年もふるさと再生日本の昔ばなしに参加

 

小野たかや(詳細不明)

 

大武正枝

ベテラン女性アニメーター。

今も、あたしんちキャラデや怪盗ジョーカー総作監で活躍。

 

動画

元久
ドラえもんなど原画

 

島田島子

詳細不明

 

寺田千紗

詳細不明

 

内田広之

今川Gロボ外伝原画など
http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=850009

 

山本とみ子

スタジオ童夢設立者夫人、設立中心メンバー

ドラえもん のび太の大魔境動画など

 

白井桂子

うしろの正面だあれ、火の雨がふる、など原画

 

20話

脚本

杉江慧子


演出

永丘昭典

ベルばら演出や、ときめきトゥナイトチーフディレクターなど。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E4%B8%98%E6%98%AD%E5%85%B8#.E3.83.86.E3.83.AC.E3.83.93.E3.82.A2.E3.83.8B.E3.83.A1

 

原画

作監 小田仁

ジャングル大帝絵コンテなど

原画 井上和夫 山口英一(前述)


動画

千葉順三

魔法の妖精ペルシャ作監など

http://sakuhindb.com/tj/6_C0E9CDD5BDE7BBB0/中武修一

小玉俊二

マリオ劇場版原画など

女神転生ではjcスタッフの一員として動画

斎藤陽子

エウレカ、シュバリエ、亡念のザムド原画など

栗井重紀

ナディア演出から最新アニメまで活躍。直近はへヴィーオブジェクトや最弱無敗の作監

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/779.html


21話

脚本 

藤川桂介

演出 

山吉康夫(前述。相変わらず大胆派手な演出)


作監

小田仁(前述)

 

原画

河村信道

パタリロガンモ作監など

http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/8537.html

高橋英吉(前述)


動画

上野茂々子、加藤良子、三原武憲(前述)

浜津守(前述)

 

森山雄治(もりやまゆうじ)

人気アニメーター、今は演出関係が多い

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E5%B1%B1%E9%9B%84%E6%B2%BB

 

小曽根孝夫(前述)

 

22話

2話


脚本 

杉江慧子

 

演出 

出崎哲


おなじみチーム出崎哲・マジックバス請け

担当作監 清水滋崇

原画

四分一節子

外山一博

清水恵蔵


動画

飛翔まり子

木村友和

林一哉

 

23話

脚本

藤川桂介

演出
井内秀治

 

作監
鈴木寿美(既述)

原画
山口英一(既述)

雨宮英雄 
最新は忍たま一人原画
http://www7.atwiki.jp/anime_wiki/sp/pages/6453.html

鈴木孝夫(既述)

動画

(全て既述)
岡崎恵三 
鈴木智津子
今井悟朗

24話

脚本
杉江慧子

演出
山吉康夫

作監
清山滋崇

原画
川村信道
高橋英吉
清水恵蔵
四分一節子
外山一博

動画
上野茂々子
加藤良子
三原武憲
飛翔まり子
木村友和
林一哉

 

25話
最終回。
脚本・演出が特殊EDのため今までの全員がクレジット。普通に考えれば演出は岡崎監督で、脚本は藤川氏と思うが、演出については、どうも合同っぽい気もしてきた。出崎哲・山吉さんぽい部分あり

作画
端名貴勇
清山滋崇
小田仁
鈴木寿美
高畑順三郎
川村信道
川筋豊
佐藤秀
坂本久子
清水恵蔵
鈴木孝夫
鈴木智津子
千葉順三
中村たかし(名アニメーター、なかむらたかしの可能性)
前田実(ドラゴンボール等で有名)
松村啓子(さらば宇宙戦艦ヤマトやグレンダイザー動画など)
宮林栄子(詳細不明)
山崎猛
(前田・松村・宮林氏以外、全て既述)

 

最後のジャンボジェットシーンの凝り様からも見るに、今から見ると凄い豪華な作画陣。原画・動画とも、他ではメカものしてる人が結構多いからか

 

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ちなみに宗方が死に、岡はそれを知らず(予感はする)にアメリカ遠征へ旅立つラスト。直後の話がOVA出崎統氏監修・古瀬登氏監督のエースをねらえ!2である。統節(女子が完全に男化)が悪ノリしてるが、コンテや演出の矢野博之さん、難波日登志(七條なみみ)さんら、色々な人たちの個性が見える貴重な映像。

Wikiに記載がないのが寂しいので記録をつけてみたが、フタを開ければ様々な人々の歴史の宝庫。同じ原作を扱っていても、無印や2、劇場版などの出崎統版は、ほぼ男(女子です)の生き様を描き、新では、少女の恋や心情、そしてテニス選手としてのドラマが中心。新では、試合の緊迫感が目立つ。どっちが勝つのか見入る感じ。

他でもそうなのだが、扱うスタッフが違うだけで、原作が同じでも主題やメッセージは大きく異なっていく。その好例でもあり、面白い。